「ドラマ37.5℃の涙」の最終回がついに放映されました。

日本に訪問型病児保育という仕組みを創りだした代表理事 駒崎弘樹が目指す『新しい時代の当たり前』とは・・・

10代の子が病児保育士になりたいとツイート。涙がでるほど嬉しかった

ドラマの最終回を迎えて、今の気持ちは「桃子ロス」。心にぽっかり穴が空いた気持ちです。
12年前に僕が訪問型の病児保育を始めようとした時、世の中にはそんな仕組みは影も形もありませんでした。NPOという法人格も「んぽ?」と読まれてしまう状況で、事業もフローレンスも全てが胡散臭いと思われるような、そんなスタートでした。

たった10年少々前にそんな状況だった「訪問型病児保育」がドラマになってテレビの中で動いて、「いろいろな親子の笑顔や形があっていい」というところを描いてくれたんですよね。そして、主人公の桃子が「私はこの仕事が好きです」って言ってくれるんです。それだけでもう、ちょっと恥ずかしいですが毎回涙が止まりませんでした。

今回は自分も一緒にドラマを盛り上げたい、世に送り出したいという気持ちで、放映時間にTwitterでドラマの内容にかぶせた実況中継を行いました。Twitterのリアルタイムの反応を見ると、当然「病児保育士」という仕事を初めて知ったという人がマジョリティなわけです。

そんな方々がドラマをきっかけに興味をもってくれる。さらに、10代の子が病児保育士になりたいとつぶやいてくれたりする。本当に涙がでるほど嬉しかったですね。

それもこれも、今まで共に働いてくれた「こどもレスキュー隊員」たちの軌跡、3万回にせまる病児保育の実績があってこそ今につながっている。僕は今、心から3万回の病児保育、それを支えてくれた仲間にありがとう、と感じています。

病める時も健やかな時も すべての子どもが育まれる世の中を創りたい

病児保育は、今は保育の中ではマイナーな仕事です。でも僕達が目指す未来は「保育の仕事に就くんだ」といった会話の中で、当たり前のように「どの保育?病児保育?障害児保育?」という会話がなされる未来です。

今の保育は「健康で健常な子」のための保育です。でも、保育所保育指針の中には、「すべての子ども達の生きる力をはぐくむ」と書いてある。ところが現実はどうでしょう。「すべての子ども」の中には「健康でない子、健常でない子」が含まれない。僕は、当たり前にそういう子どもたちが包まれる時代を目指してやみません。

病気をすることによって子どもは免疫を得て健康になれる。病気をすることは、発育に必要な一過程です。その発育の、いち段階に寄り添うのが病児保育です。もっともっと、評価されて然るべきだと感じています。

働く親にとって、子どもが熱を出している時こそ一番大変な時です。残念なことに今の日本は、まだまだ親が一番大変なときに「子どもが病気なら親がみろ」と突き放す社会です。でも、「親が大変な時こそ社会で助けよう」「こどもを社会で育てよう」、そういう未来こそが目指すべき社会だと僕達は考えます。そして、その新しい時代の象徴こそが病児保育であると信じています。

目の前の親子を助けたくても助けられない。歯がゆく自分の至らなさを猛省する

病児保育は「新しい時代の当たり前」を創る仕事だと思います。そして、その「当たり前」を求めてやまない親子が、僕達の目の前にはたくさんいます。

ところが今、フローレンスでは病児保育の新規入会を一時停止しています。助けを求める声を聞きながら、支えることができない状況に、自分の至らなさを猛省し、居てもたってもいられない気持ちです。

だから、多くの人たちに、この「新しい時代の当たり前」を求める親子を助ける仲間に加わって欲しいと願います。助けようと思う手が増えれば増えるほど、助かる親子は増えるのです。
子育て経験だけでできるのか、と躊躇する人には、ともに親子を支える一歩を踏み出してほしい。その一歩を踏み出してくれるなら、僕たちは仲間として迎え全力で支えます。

フローレンスでは十分な研修もあるし、サポートしてくれる看護師や医師もいます。「お子さんを想う気持ち、親御さんを想う気持ち」さえ持ってきてもらえれば、僕達は仲間として歓迎します。

もちろん、病児保育の仕事はお子さんの命を預かる仕事ですからプロフェッショナルであることが求められます。しかし、その分大きな喜びも味わえます。親御さんの役に立ち、お子さんの役に立つ。責任と喜びと両方あり「働く意味」とともに暮らすことができる、こんな仕事はそうないと思います。

メジャーになることが到達点ではない。社会全体で子育てをする未来を目指す

ドラマが開始されてから最終回を迎えるまでの間に、新人こどもレスキュー隊員がデビュー(独り立ち)しました。

町田さん写真②

会社でデビューを祝うセレモニーをしたのですが、その時彼女は泣いてしまったんですね。それを見て僕も泣きそうになるほど胸を打たれました。でも、社員みんなの前だから、こらえました。

彼女が思わず涙した気持ちと同じぐらい、僕も感動しました。嬉しかったんです、我が事のように。
彼女は10年と少し前には影も形もなかった、この訪問型病児保育という仕事を選んでくれました。

いつか、彼女のような保育士が当たり前のように病児保育の仕事を志す世の中を実現します。フローレンスがメジャーになることが目的ではありません。働く親や子どもたちにとって、病児保育が当然のインフラになり社会全体で子育てを行う未来こそが僕達が向かう到達点です。そこに派手さはありません。でも、それが「新しい時代の当たり前」を創ることだと信じています。


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