こどもの急な発熱。仕事中、保育園から「お迎えをお願いします」と連絡が来たとき、どうしたらいいんだろう? そんな、働く親御さんのピンチを救うのが、わたしたちフローレンスの病児保育です。そして、実は企業の福利厚生として導入できる「法人プラン」があることをご存知でしょうか?

今回は、病児保育の必要性にいち早く着目し、「フローレンスの病児保育法人プラン」を導入してくださった「株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)」人事担当の久見木さん、平塚さんに、導入に至った背景や経緯についてお話を伺いました。長年にわたる両立支援への取り組みや、社員が安心して働ける環境づくりの舞台裏に迫ります。

左から、DeNA人事担当の久見木さん、平塚さん

※フローレンスの病児保育法人プランとは・・
社員が利用する病児保育費用の一部(入会金や月会費)をお勤めの法人に負担していただく仕組みです。社員の方は入会金・月会費の負担なくフローレンスの病児保育をご利用いただけます。
詳しくはこちら https://byojihoiku.florence.or.jp/service/corp/

子育て世代の増加が、福利厚生導入のきっかけに

市倉 本日はどうぞよろしくお願いいたします。貴社がフローレンスの病児保育法人プランを導入してから10年以上が経ちました。福利厚生制度として「”フローレンスの病児保育”の利用補助」を導入された経緯についてお聞かせいただけますか?当時、DeNAの中で何か課題を感じられていたのでしょうか?

左から、DeNA人事担当の久見木さん、平塚さん

久見木 DeNAは1999年の創業以来、多様なバックグラウンドを持つ社員が入社していますが、その中で、社員のライフステージの変化、特に子育て世代が増えてきたということをきっかけ「両立支援」をしっかり考えていこうプロジェクトが立ち上がりました。その検討の中で、フローレンスの病児保育法人プラン導入に至りました。

市倉 そうだったんですね。「両立支援」の文脈で、病児保育以外には何か他のサービスも検討されましたか?

久見木 両立支援の考え方としては、育児休業から戻ってきた社員が、しっかり働ける環境を会社としてサポートしようという考えがありました。戻ってきた時に力を発揮できるように、例えば、認可外保育園へ入園時の補助なども検討しました。

市倉 きっと、待機児童問題が真っ只中の時期でしたよね。

久見木 そうですね。認可外保育園は費用が高い場合もありますが、そういった施設の入園を検討できるように支援することにより、社員がスムーズに復職できる仕組みを作っていきました。

市倉 復職後もキャリアを諦めず、安心して働けるように会社がサポートする、というスタンスだったんですね。

久見木 はい。もちろん、育児の時間がしっかり取れるように、時短勤務などの制度も用意して、お休みをする際には周囲の社員がフォローし合える雰囲気があります。それと並行して「しっかりと働きたい社員が活躍できるように会社がサポートしていく」という考え方でプロジェクトをスタートしました。

10年以上前から続く、DeNAの「両立支援」

市倉 人材戦略として、福利厚生や制度をしっかり整えていかないと、新卒や中途採用も難しくなってきていますよね。実際、厚生労働省の委託調査(両立支援と企業業績に関する研究会報告)では企業の約7割が、こうした両立支援制度を「優秀な人材確保のために必要」だと回答しています。DeNAとしては、両立支援制度の充実を、採用時に前面に押し出していらっしゃいますか?

久見木 両立支援を始めた当初は、社外にも積極的に発信していました。当時としては非常に先進的な取り組みだったと思います。今では多くの企業で同様の制度が当たり前になってきましたが、当社では長年にわたり培ってきた両立支援の文化と、育児休業を希望通り取得できる環境、そして働きたい時にしっかり支援できる体制を整えています。

「病児保育があるから頑張れる」復職後の心の支え

久見木 実は私も自身が育児休業から復職するタイミングで、フローレンスさんの病児保育に対しての利用補助制度を知りました。

市倉 そうだったんですね。久見木さんご自身は「病気のお子さんを預けて働く」ことについて、どう感じていましたか?

久見木 もちろん葛藤はありましたが、私自身も復職後、育児との両立の中で「働きたい、でもこどもが病気になってしまった」という場面に直面することもありました。ただ、こどもに病気はつきものですし、こどもの症状や仕事の状況などによって、病児保育を選択肢として選べる環境があり、会社としても両立できるよう支援してくれるということは心強かったです。「安心して子育てをしながらキャリアを続けられる環境」を整備することが、会社の役割だと考えています。

 ほかの同僚も、復職後のイメージがなかなか掴めない中でも、「何かあった時には会社からのサポートを受けられる」というのは、かなり心強く感じていたようです。

平塚 DeNAは以前は出社が前提だったので「こどもを預けて親は出社し、家を空ける」ことへの精神的ハードルが社員にもあったように思います。コロナ禍以降にリモートワークが増えたことで、実際に病児保育の様子を見たり、空いた時間に保育スタッフさんとコミュニケーションを取ったり、訪問型病児保育の利用ハードルが低くなりましたね。

市倉 福利厚生としての病児保育の利用補助は、企業側にも大きなメリットがあります。社員の皆さんが安心して復職できるだけでなく、病気のお子さんを預けることができるという選択肢があることで、社員の休職や離職を防ぎ、貴重な人材を定着させることにも繋がります。

プロによる安心感と、お子さんに寄り添う保育

市倉 実際に利用された社員の方からは、どんなお声がありますか?

平塚 DeNAでは、産休・育休から復帰される社員向けのワークショップを実施して、会社の近況を伝えたり、利用できる福利厚生制度の話をしたり、子育て社員の体験談などをはなしてもらったりなど、先輩ママパパを呼んで復職後のイメージをつかめるような場を作っています。そこでも先輩から、病児保育の話題はよく出ますね。病児保育の利用補助によって社員の不安を解消できるのは、会社としても大きなメリットだと感じています。

市倉 復職後の悩みナンバーワンは「お子さんの病気」という方も多いですよね。保育園の洗礼を受けた、という話は本当によく聞きます。

平塚 そうですね。でもワークショップの中で も、「病児保育を利用して良かった」という声が大きいです。フローレンスのスタッフの方は病児保育のプロなので、再受診の目安や症状ケアのポイントなどを教えてくださることで、すごく安心できたという話がありました。

ほかにも、熱が下がって元気になったけれど、まだ保育園に預けられない期間についてです。「子どもの発達段階に合った遊びを提供してくれて、楽しい一日を過ごせるよう工夫していただいている」という声も聞きます。

市倉 看護や療養に加えた「保育」の部分も評価していただいているんですね。お子さんにとっても親御さんにとっても辛い一日になりやすい病気の日が、「楽しかったね」「先生、バイバイ!」と言って終えられるよう、わたしたちは「辛い一日を、楽しい一日に」を合言葉に、ご家庭に伺っています。それが親御さんにも伝わっているようで、大変うれしく思います。

社会全体を良くするための「アクション」

市倉 フローレンスは子育ても仕事も、どちらかを我慢するのではなく、どちらもチャレンジできるような社会を目指しています。DeNAのように、両立支援といった社会を変える活動に注目している企業に対して、わたしたちは社会を変える仲間だと思っています。

久見木 フローレンスさんの病児保育導入を決めた背景として、もともとフローレンスさんの活動に共感していたということもありました。DeNAの今後のやっていきたいことや社員へ支援など通じる部分があると思います。

市倉 わたしたちは、ひとり親家庭の支援や、お子さんの体験格差をなくす活動にも取り組んでいます。病児保育の提供も、社会全体を変えていくための、一つの方法として活動しているんです。今後も様々な社会課題に挑戦していきたいと考えていますので、ぜひ活動報告などにご注目いただけたら嬉しいです。

編集後記

今回、「株式会社ディー・エヌ・エー」の久見木さんと平塚さんにお話を伺い、社員の多様な働き方を支える「両立支援」への深い想いと、具体的な取り組みについて知ることができました。

福利厚生としての病児保育利用補助は、社員が安心してキャリアを継続できるだけでなく、企業にとっても貴重な人材の定着に繋がる重要な施策です。 実際に、福利厚生として育児支援制度を導入した企業では、離職率が30%〜40%近く改善されたという事例もあります。

また、厚生労働省の委託調査(両立支援と企業業績に関する研究会報告)では、企業の約7割が両立支援制度について「優秀な人材確保のために必要である」と回答しており、企業側のメリットは明確です。

今回の記事を読んで、フローレンス病児保育【法人プラン】について詳しく知りたいと思っていただけた企業のご担当者様は、ぜひ以下のサイトをご覧ください。