「訪問型の保育」や「病児保育」と聞くと、これまで保育園で働いてきた保育士さんにとっては、少し不安や戸惑いを感じることがあるかもしれません。特に、経験が豊富な保育士さんほど「1人で家庭を訪問し、体調不良のお子さんを預かる」という新しい働き方に慣れるまでには、多少の時間がかかることもあると思います。

では、実際に研修を終えた保育園勤務経験者の新人「おやこレスキュー隊員」※たちは、どのように感じているのでしょうか?

前編での研修の話に続き、今回は独り立ち後の経験や、これから応募を考えている方へのメッセージについて聞いてみました。

※ フローレンスでは病児保育の保育スタッフを「おやこレスキュー隊員」と呼びます。

独り立ち後はどのような心境でしたか?

豊島:最初の10回は前日になかなか眠れず、緊張で朝お腹を壊すこともありました。でも回を重ねるうちに少しずつ慣れ、「今日は大丈夫!」と思える日が増えました。私は週2日勤務で、6月時点で約10日訪問をしたので、だいたい1〜2ヶ月経つと慣れてくるんだと思います。

最初の1ヶ月は少し大変でしたが、それを乗り越えると手応えを感じられ、「次はこうしよう」と前向きに考えられるようになりました。

今井:私はむしろ「早く独り立ちしたい!」と、うずうずしていたので、主導研修※を2日間で終えることができ、すぐに現場に出られて嬉しかったです。理由は現場の実践こそが1番の経験になると思っていたからです。

座学で得た知識はそれを現場でアウトプットしないといけないし、また手足口病という同じ感染症でもお子さんによって発症の仕方が違うこともあるので、生の経験を積みたかったんです。

また、元々医療知識を深めていくことにも興味がありました。1日を通してじっくりお子さんを見守るので、親御さんや受診代行先の医師に、その日を通しての変化を伝えることができる点にプロフェッショナル感を感じています。これはここでしかできない、訪問型病児保育ならではのやりがいだと思います。

※ 入社時研修における、最終段階の実地研修。指導隊員についてもらいながら、その日1日の保育を1人で回していく研修

佐野:私は最初、受診代行と与薬(お薬をあげること)に不安がありました。最初は、「自分がやるのは嫌だな、怖いな」と思っていたんです。でも実際に現場で経験すると、何もせずにお子さんを見ているより、病院で医師の診断を聞く方が安心だと感じました。

また、お薬を飲んだほうが病状も改善されるため、親御さんからお薬をしっかりと預かったり、預かり時点で受診をされていない方には、受診をおすすめした方がいいなという気持ちになりました。それが1番大きい変化ですね。

今後の目標はなんですか?

今井:私は現在42件訪問していますが、まずは1000件訪問が目標です!たくさん訪問することが、自分のスキルアップに繋がると思うので、自分自身も病気をせずにそこまで行きたいです。

佐野:保護者に対して自分から提案や声かけができるようになりたいと思います。フローレンスの病児保育のルールでは、一部例外はあるものの、基本的には37.5℃以上のお熱があって、まだ受診されてないご家庭には基本的に受診をお願いしています。

ただ、訪問して親御さんと朝の引き継ぎをしていると、今日は受診しなくていいですと言われることもあるんです。そういったときに、保護者に受診の必要性を分かってもらえるような提案の仕方ができるようになりたいです。

豊島朝の挨拶から「この人大丈夫そうだな」と信頼してもらえるように、また保育が終わって帰るときに「この人に来てもらって良かったな」と思ってもらえるようにしたいですね。

レスキュー毎にレベルアップを積み重ねて、先輩隊員さんみたいにどんと構えて安心感を与えられるようになりたいです。

応募を考えている人へのメッセージをお願いします

豊島仲間が増えたら嬉しいです。今は感染症が流行している影響から、その日対応できるレスキュー隊員の人数よりも、1日の依頼件数が多くなっています。

やむを得ずお断りをしなければならないケースもあり、隊員の人数が十分にいれば、より多くの困っているご家庭の助けになれるため、ぜひこのお仕事に応募してほしいです。

今、潜在保育士の人たちが、たくさんいると思います。きっとそういう人たちは、保育園で疲れてしまったのでは?と思います。

でも訪問型病児保育は、保育園とは全く別の働き方なので、少しでも興味があったらぜひ説明会等に来てもらって、覗いてみてもいいんじゃないかなと思います。

佐野:毎日直行直帰で、保育中はひとりきりのこのお仕事ですが、事務局(サポートセンター※1)がバックアップしてくれるので、孤独感は感じません。ぜひ保育経験があるのなら挑戦してみてほしいなと思います。

もちろんお子さんと1対1で接しているのは自分ひとりですが、組長さん※2 がいたり、同期がいたりと、日々チーム感が感じられます。ひとりのときと、チームのときとのほどよい距離感が良いですね。保育園のように密な関係ではないので、人によってはちょうどいい距離感だと思います。

※1 保育中にわからないことが発生したときにアドバイスをしたり、お子さんの病状変化に迅速に対応する事務局スタッフがフローレンスのオフィスで控えています。

※2 おやこレスキュー隊員は入社後、13〜15名ほどの人数でグループ(組)に分けられ、それぞれに組長がいます。組のなかで育成・サポートを行ったり、日々1対1の保育で孤立しがちな隊員どうしのコミュニケーションを促進します。

今井:「病児」と言うと、保育士の方からはすごくハードルが高そうだと言われます。

フローレンスの他の事業部で働いている保育士の方々からもそう言われるんですが、実際はそんなことばかりではなくて、回復期のお子さんも多いので、そういったお子さんの依頼のときは、午前中遊んで、お昼ご飯を食べ、お昼寝し、夕方また遊んでと、保育園の生活と同じように過ごすことになります。

そのお子さんが病気であるということと、ひとりでその場で起こる全てのことに対応しなければならないという、1対1の病児保育特有の大変さはありますが、求められていることは基本的に同じです。

特にこのお仕事で保育園のときと比べて負担が少ないなと感じるところは、制作物がないところや、活動の準備をする必要がないところです。基本的には、その日に訪問するおうちにあるおもちゃで遊んだり、たまに折り紙など持ちこむ程度になります。ぜひ気軽にチャレンジしてほしいと思います。


いかがでしたでしょうか?訪問型病児保育は、訪問型特有の大変さもある一方で、保育園と異なる働き方で、こどもと1対1でじっくり向き合うことができるという魅力があります。不安がある方でも、しっかりとしたサポート体制が整っているので、安心してチャレンジできる環境です。

ぜひこの春から一緒に働いてみませんか?あなたのご応募お待ちしています!

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